退職理由のコツ:円満退職を目指す書き方5選

この記事を書いた人
長谷川/元・人事部

◆ブラック企業の人事部(現在退職済み)
◆終電退社・サービス残業当たり前
◆パワハラ・モラハラが横行
◆人事部として過去300人以上の退職者を見届けし者

退職理由書き方の基本ルール

退職理由をどう書くかはとても重要です。
退職理由が明確であれば、職場の理解を得やすく円満に退職できる可能性が高まります。
以下に、基本的なルールをまとめました。

簡潔かつ具体的に

退職理由は簡潔で、具体的に書くことが大切です。長々と書くと、読む側に負担をかけます。

例文1:「家族の健康上の理由で、今後のケアに専念する必要があるため退職を希望します。」

例文2:「通勤時間の短縮を図るため、自宅近くの職場での勤務を希望し、退職を希望します」

正直ここの退職理由は嘘でも構いません。
家族の健康状態や、通勤時間が短い職場に本当に転職したのかなんて、わざわざ調べませんから。
スムーズな退職を目指すため、それっぽい理由を考えて簡潔に提示しましょう。

ポジティブな表現を心掛ける

否定的な言葉や不満を避け、前向きな表現を使うように意識しましょう。
例えば、「新たな挑戦を求めて」などのフレーズを使うと良い印象を与えながら退職を目指せます。

例文1:「新しい分野でのスキルを磨きたいと考えております。」

例文2:「自己啓発とスキルアップを目指し、留学を予定しているため退職を希望します。」

具体的な日付を明記する

退職希望日を具体的に書くことで、会社側が後任の準備をしやすくなります。

例文:「〇月〇日をもって退職させていただきたく存じます。」

退職理由書き方の例文5選

具体的な例文を以下に示します。これらを参考に、自分に合った退職理由を書いてください。

1.家族の事情

例文1:「家族の健康上の理由で、今後のケアに専念する必要があるため退職を希望します。」

例文2:「配偶者の転勤に伴い、新しい居住地へ引っ越す必要があるため、退職を希望します。」

例文3:「子どもの進学に伴い、教育環境を整えるため、家族と過ごす時間を増やす必要があるため退職を希望します。」

2.キャリアアップ

例文1:「新しい分野でのスキルを磨きたいと考えており、キャリアアップを目指して退職を希望します。」

例文2:「自身の専門知識を深めるため、大学院への進学を決意しました。学業に専念するため退職を希望します。」

例文3:「リーダーシップスキルを向上させるため、より多くの責任を伴うポジションに挑戦する機会を得るため退職を希望します。」

3.健康上の理由

例文1:「自身の健康上の理由により、しばらく休養が必要なため退職を希望します。」

例文2:「慢性的な体調不良の改善に専念するため、治療と休養が必要となり、退職を希望します。」

例文3:「医師からの指示により、長期的な療養が必要なため、退職を希望します。」

ただし健康上の理由で退職を希望する場合、会社によっては病院からの診断書の提出を求められる場合があります。
可能であれば診断書を予め用意するか、もしくは精神的理由をつけて申し出れば強く引き止められない場合が多いようです。

4.転居

例文1:「家庭の事情により、遠方に転居することが決まりましたので、退職を希望します。」

例文2:「親の介護のため、実家の近くに引っ越すことになりましたので、退職を希望します。」

例文3:「新しい住居が通勤圏外になるため、やむを得ず退職を希望します。」

5.職場環境の変化

例文1:「職場環境が自分のスキルと合わなくなったため、新しい職場での挑戦を求めて退職を希望します。」

例文2:「業務内容が大きく変わり、自分の専門分野とは異なる業務が中心となったため、新たな挑戦を求めて退職を希望します。」

例文3:「職場の組織再編により、働き方や職場文化が変わり、自分の価値観と合わなくなったため、退職を希望します。」

退職理由書き方の注意点

退職理由を書く際には、以下の点に注意する必要があります。

事前に上司に相談する

上司に相談できる環境下にあるならば、退職理由を文書で提出する前にまずは口頭で上司に相談しましょう。これにより、スムーズな退職手続きが進められます。

退職届の提出タイミング

退職届は、退職希望日の1か月前には提出することが望ましいです。早めに提出することで、会社側も後任の手配がしやすくなります。

退職理由書き方の失敗例

会社側に悪い印象を与えないよう失敗例を事前に把握しておくことも大切です。
以下に、避けるべき書き方を紹介します。

1.ネガティブな表現

例文1:「この会社の方針に不満があるため、退職します。」

例文2:「上司との関係が悪化したため、退職します。」

例文3:「給与が低すぎて生活が苦しいため、退職します。」

これらは会社側に直接ネガティブな印象を植え付けてしまうため避けるべきです。
前向きな表現を心掛けましょう。

2.曖昧な理由

例文:「いろいろあって退職します。」

これでは曖昧すぎて相手に伝わりませんし、書き方として不誠実です。
具体的な理由を記載するか、もしくは「一身上の都合により退職します」といった表現に留めておきましょう。

3.詳細すぎる理由

例文:「家庭の事情で、子どもの学校の問題や親の介護などが重なり…」

長々と詳細に書きすぎると逆に理解されにくく、会社側もそこまで詳細な理由提示は求めないことが多いです。
シンプルかつ簡潔にまとめるよう意識しましょう。

退職理由書き方のまとめ

退職理由を上手に書くことは円満退職への第一歩。

簡潔で具体的、ポジティブな表現を心掛け、正直な理由を述べることが大切です。

また、事前に上司に相談することや、タイミングを守ることも忘れずに。

以上のポイントを押さえて、スムーズな退職を実現してください。